車について(3)~エンドレス免停【後編】~

投稿者: itogen
5月 09 2011 年

お昼休みに4階の食堂に行くと、ラーメンとカレーとラーメンカレーセットがありました。

他のメニューもあったと思うのですが、

ラーメンカレーセットのインパクトが強すぎて覚えていません。

ラーメンカレーセットです。

敵は両方味の濃い炭水化物で攻めてきました。

 

何カロリーあるのか気になりましたが、

スカウターを装備していなかったので分かりませんでした。

しかもこのセットには片方食べている間にもう片方のルーが冷めたり麺がのびたりするという罠が。

カレーラーメンという妙案を思いつきましたが、白米が余ることに気づきました。

しかし「カレーラーメンおじや」や「おじやカレーラーメン」は、

食べたことがないので何となくですが、それほどおいしくないような気がします。

諦めてカレーのみにするべきなのでしょうか。

でも、セットです。両方とも好きな食べ物で、単品と同じ値段で食べられます。

セットにすべきかカレーにすべきか。

こんなに迷ったのはこれまで生きてきた中で初めてというくらい迷いながら

食券販売機前に並んでいると、

まだ前に10人以上並んでいるのに、突如目の前に出現した三角頭巾をかぶった謎の生命体が

「はいお金!」

と手を出してきました。

 

列解消のため売り子を出したのだと今ならわかるのですが、

その時はいきなりすぎて何が起こったのかわかりませんでした。

とりあえず言われるままに目の前にいる国籍不明の生命体に千円札を手渡すと、

その生命体は間髪入れずに

「はい何にする!」

と、またしても日本語で聞いてきました。

 

今目の前で何が行われているのか全く理解できないながらも、

とにかくもう一刻の猶予もないことだけは本能で理解したので、

脊髄反射で「カレーでお願いします!」と叫びました。

1分も待たずに、レトルトカレーをぬるま湯で温めてごはんの上にかけた感じのモノが出てきました。

 

ちなみに、2回目の免停講習時には、前回と同じ轍を踏まぬよう

前もって生命体の出現に対する心の準備をした上で

落ち着いてラーメンカレーセットを注文しました。

レトルトカレーをぬるま湯で温めてごはんの上にかけた感じのモノと、

麺がのびきるまで袋ラーメンをゆでたような感じのモノが一緒に出てきました。

口に入れた瞬間、哺乳類としての本能が

「それを口にしてはいけない!!」

と叫びかけてきました。

 

午後は「運転練習シミュレーター」なるものを用いて運転練習をさせられました。

目の前に画面があってハンドルやギア、ペダルなどがついているゲーセンの筐体のようなものでした。

午後になるともう目に入る何もかもにうんざりしていたので、

「じゃあゲーセンでやってくるからお金ちょうだい」

とか誰かが教官に言いださないかなと期待していたのですが、

結局勇者は現れませんでした。

 

仕方がないので

「そうですよね!僕らはまず運転練習からですよね!何しろ100分の1の選ばれし者たちですもんね!」

とか

「えええ!?いきなり運転練習させていただけるんですか!ありがたき幸せ!ヒャッハー!」

とか心の中でぶつぶつつぶやくことで何とか自分のテンションを高め、筐体に乗り込みました。

 

ところがいざ始めてみるとこれが妙に楽しいものでした。

横目で見ると隣の人もニヤニヤしていました。

 

これは今日唯一の当たりかもしれないと思い始めたちょうどその時、

前方に見通しの悪い交差点が見えてきました。

どう考えても何か飛び出してきそうです。教官はここに罠を張っているに違いありません。

警戒して車をゆっくり進めました。画面には時速3kmと表示されていました。

徒歩より遅いスピードです。これで不慮の事故が起こるはずがありません。

 

ところが事故が起こりました。

ほぼ止まっているの自分の車に対して、 横からバイクが勝手に突っ込んできたのです。

画面全体が青くなり、「しばらくおまちください」という文字が表示されました。

見渡すと、まわりもみな青い画面を呆然と見つめていました。

多分「なんだこの無理ゲー」とか「なんだこのク●仕様は」とか思っていたに違いありませんが、

それを口にする者はいませんでした。

「見通しの悪い交差点では十分注意して~」という注意が表示されました。

『十分過ぎる程に注意していましたが何か?』と思いましたが、ため息を一つついてリスタートを選択しました。

この交差点は、今度は時速0kmで停止してクリアしました。

クリア後「ただし遅すぎても減点の対象になります」という文字が表示されました。最初に言ってください。

 

しばらく進むと信号のない横断歩道が見えてきました。

近くには歩行者がいます。間違いなくまた特別攻撃を仕掛けてくるはずです。

奴がいつ仕掛けてきても対処(停止→バックして回避)できるよう、

ギアから手を離さず、時速1~2kmで少しずつ警戒しながら進みました。

しかし彼が飛び出してくることはありませんでした。

結局あれはなんだったんだろうと疑問に思っていたら画面が切り替わり、

「あなたが(横断を待つ)歩行者の立場だったらこのような車をどう思いますか」

という文字が表示されました。

いちいち気が利いてます。

 

最後は簡単なテストをして最終診断結果が渡されることになっていました。

持ち点40点のうち34点以上残っていれば優で 29日分免停期間が短縮されます。

教官は最後だけ上機嫌でした。

教え子の成績に満足したからとかではなく、単にこれで今日の仕事が終わるからです。

彼は笑顔で

「この教室はゲンがいい。何しろ今まで誰もこの教室では優以外とったことありません」

と言い始めました。

『嘘だ!絶対どの教室でも言ってる!しかもよく考えたら23番は

「はい5点減点!」を2回言われてたからもうダメじゃん』

と思いました。

右前方に目を向けると 23番の後頭部は生まれたての小鹿のようにプルプルと震えていました。

そっと後ろから忍び寄って肩をポンポンと叩き、驚き振り返った23番に対して親指を立てながら

“Have a nice day!”

と言ってあげたくなりましたが、もう夕方だったので我慢しました。

 

結局手渡された結果は優で、29日分免停期間が短縮されることになりました。

最初は違反点6点(スピード違反+駐車禁止)で30日免停になりますから、

耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んで最後までこの講習を受けきったことで

翌日からまた運転できるようになりました。

 

しかし持ち点は減らされ、次は違反点4点で60日免停になります(なりました)。

その次はさらに持ち点が減らされ、違反点2点で90日の免停になります(なりました)。

さらにその次は違反点2点でいきなり120日の免停になります(なりました)。

 

持ち点2点ルールは厳しいです。何かあるだけで一発免停になります。

しかも免停期間の短縮は最大で29日分ですから、120日免停になると、

わざわざお金を払ってもう一度あの苦行を自らに強いても、

悟りが開けるどころかその後まだ3カ月は免停期間が続くわけです。

 

行き過ぎたのでちょっとUターンしてみたら、たまたまその道路(四ツ目通り)がUターン禁止で

さらにたまたまUターンした車の鼻先に交番(横川交番)があった時には本当に参りました。

建物の中から、ピーピピーッ!と元気よくホイッスルを鳴らしながら

青い服を着た動物が2匹飛び出してきました。

そして4度目の免停講習に参加することになりました。

詳細は1度目と同じですしもう思い出したくないので割愛します。

何故これをつぶやこうと思ったのか自分でもわかりません。

 

コメント / トラックバック 2 件

  1. タチコマ より:

    今まさに人生二度めの免許停止短縮講習をうけています(笑)60日です

    そして今さっき運転シミュレータをやりました。周りの人の音を聞いてゆっくりやったんで誰もひいてないです†

    が、最後の一回、制限時間内に終わりませんでしたねと冷ややかに講師の人に笑われました…

    もう二度とうけないためにも極力運転しません(泣)

    講師最凶

    • 伊東源 より:

      タチコマさん、コメントありがとうございます&免停、ご愁傷様です。
      実際この免停ループを切り抜ける一番の方法は
      持ち点が回復するまで運転しないことだと思います。
      自分は4度免停になってそのことにやっと気づきましたから、
      2度目でお気づきになったタチコマさんはすごいと思います笑。

      講師の態度はどの免停講習でもそうなのでしょうか。
      自分の時も完全に上からでした。

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